天然酵母って、どんなもの?
パンがふっくら膨らむのは、酵母が生地の中で発酵して、炭酸ガスを生み出してくれるからです。
酵母は自然界にいる小さな微生物。
目には見えませんが、パンを膨らませるだけでなく、香りや味わいをつくる大切な役割も担っています。※1
まるたでは、果物や糀から育てた自家製酵母を使っています。
天然酵母だから、それだけで体によいということではありません。
私たちが天然酵母を使うのは、時間をかけて発酵させることで生まれる、香りや味わいが好きだからです。
パンをかんだときに感じる小麦の風味や、口の中に残るやさしい余韻。
そんなおいしさを大切にしています。
一週間ほどかけて育てています
まるたの酵母づくりは、果物や糀に水を加えるところから始まります。
酵母のエキスが出来上がるまで、一週間ほど。
そこから小麦粉と混ぜ、さらに数日かけて、パンづくりに使う元種へと育てていきます。
気温や湿度によって、発酵の進み方は毎回少しずつ違います。
泡の出方や香り、膨らむ力を見ながら、その日の酵母の状態を確かめています。
少し時間はかかりますが、焦らず、じっくり。
元気に育った酵母から、おいしいパンづくりが始まります。
まるたで使っている3種類の酵母
まるたでは、ぶどう酵母・糀酵母・有機バナナ酵母を育てています。
それぞれに香りや得意なパンが違うんです。
ぶどう酵母
やさしい甘みと、ほのかな果実の香りがあります。
小麦やあんこなど、ほかの素材の味を邪魔せず、そっと引き立ててくれる酵母です。
まるたの自家製酵母パンの、土台になることが多い酵母でもあります。
糀酵母
香ばしく、少しお醤油のような和の香りがあります。
あんパンや食パン、バゲットなど、小麦の味を楽しんでいただきたいパンに使っています。
あんこやバターはもちろん、スープや普段のお食事にも合わせやすい味わいです。
有機バナナ酵母
まろやかで、少し芳醇な香りがあります。
クロワッサンやレーズンを使ったパンなど、甘みやコクを楽しむパンによく合います。
バナナの味がするというよりも、発酵によってパンの香りに奥行きを加えてくれる酵母です。
パンによって酵母を使い分けています
まるたでは、すべてのパンを同じ酵母でつくっているわけではありません。
小麦の種類や具材、食感に合わせて、酵母を使い分けたり、いくつかの酵母を組み合わせたりしています。
あんこの甘さを楽しむパン。
小麦の香ばしさを味わうパン。
バターやレーズンのコクを引き立てたいパン。
パンによって、似合う香りは少しずつ違います。
酵母は目には見えませんが、袋を開けたときの香りや、食べ終わった後の余韻に、その個性が表れます。
いろいろなパンを食べ比べながら、酵母による違いも楽しんでいただけたらうれしいです。
発酵文化が息づく、長野県上田市
ナチュラルベーカリーまるたの工房があるのは、長野県上田市です。
上田市は晴れる日が多く、年間の降水量が比較的少ない地域です。
昼と夜、夏と冬の寒暖差が大きい、内陸らしい気候も特徴です。※2
また、上田市には日本酒や味噌、醤油、ワイン、パンなど、発酵の力を生かしたものづくりが根付いています。
旧北国街道の柳町には、酒蔵や味噌蔵、パン屋、ワイナリーなどが集まり、「発酵のまち」としても親しまれています。※3
日本酒とパンでは、使う材料もつくり方も違います。
それでも、目には見えない微生物の働きを大切にし、時間をかけておいしさを育てるところは同じです。
まるたも、そんな上田の発酵文化の中で、自家製酵母を育てながらパンを焼いています。
ゆっくり味わっていただきたいパンです
まるたのパンは、忙しい日に何となく口に入れるパンではなく、少しゆっくり過ごしたいときに選んでいただきたいパンです。
お気に入りのコーヒーをいれた朝。
家族と過ごす休日。
少し頑張った日の、ごほうびの時間。
そんなひとときのおともになれたらと思っています。
国産小麦を使い、自家製酵母を育て、マーガリンを使わず、一つひとつ丁寧に焼いています。
効率よく、たくさんつくることはできませんが、その分、酵母や生地の状態を見ながら、じっくり向き合っています。
袋を開けたときの香りと、かむほどに広がる小麦の味わい。
ぜひ、少しゆっくりとお楽しみください☺️
まるたのパンが、明日の朝を少し楽しみにするきっかけになりますように。
参考・出典
- 農林水産省「パンをつくるときに使うイーストの役割について教えてください。(外部サイト)」/参照日:2026年7月29日
- 上田市「上田市の気候(外部サイト)」/参照日:2026年7月29日
- 信州上田観光協会「“上田城下町の台所” 柳町で発酵食をめぐる(外部サイト)」/参照日:2026年7月29日





