地域の歴史を、次の世代へつなぐお祭り

砥石・米山城まつりは、上田市の神科地域に残る文化遺産を守り、その歴史を子どもたちへ伝えていくことを目的に開かれているお祭りです。2026年は、第43回の開催となります。

舞台となる砥石米山城は、村上義清の重要な拠点だった山城。武田信玄が敗れた「砥石崩れ」の地として知られ、真田氏にもゆかりがあります。現在は県の史跡に指定され、城跡からは上田の街並みを見渡すことができます。

そんな歴史を持つ場所で、地域の人たちがつくり、受け継いできたお祭りです。地元のさまざまな世代が運営に関わってきたことも、このお祭りの特徴です。

山そのものが、守りの力に。「山城」とは?

山城(やまじろ)とは、山の尾根や斜面など、自然の地形を生かして築かれたお城のこと。お城というと立派な天守を思い浮かべるかもしれませんが、山城では、山そのものが大切な守りの役割を担っていました。

急な斜面は敵が攻め上がるのを難しくし、高い場所からは周囲や敵の動きを見渡せます。さらに、地面を掘った堀や、土を盛り上げた土塁を組み合わせて、敵が入り込みにくい仕組みをつくっていました。戦のとき、山城は地形の力を借りて身を守り、敵を迎え撃つための拠点だったのです。

『サマーウォーズ』にもつながる、身近な風景

実は、砥石米山城跡は、アニメ映画『サマーウォーズ』にもゆかりのある場所です。作中では、この城跡に「陣内家」の屋敷があるという設定になっており、そこから望む上田の街並みも描かれています。

お祭りを訪れた際には、ぜひ山を見上げてみてください。「あの山が、お城だったんだね」「あの山から眺めると、映画に出てきた夜景が見えるんだね」そんな話をしながら眺めると、いつもの風景も少し違って見えそうです。歴史に詳しくなくても、お祭りは地域の物語に触れるきっかけになります。

武者の姿に、音楽に。いろいろな楽しみ方を

これまでのお祭りで親しまれてきたのが、砥石米山城に伝わる「白米伝説」の再現です。馬の背に流した白米を水に見せかけ、敵を欺いたという言い伝えを、目の前で楽しめる催しとして伝えています。歴史の物語に、ぐっと親しみを持てそうですね。

過去の開催では、真田軍の武者出陣や、地元の小中学校による管楽器・吹奏楽の演奏、太鼓の演奏なども行われてきました。城跡を歩く登山会も企画され、歴史と自然の両方に親しめる機会になっています。

演奏を聴いたり、お店をのぞいたり、地域の歴史に触れたり。何か一つを目的に訪れても、思いがけない楽しみに出会えるのがお祭りのよいところですよね。

※ここでご紹介した催しは、過去の開催内容です。今年のプログラムは、公式案内が公開されましたら、そちらをご確認ください。

工房のすぐそばで、パンを手渡せること

まるたにとって、このお祭りは「近くで開かれるイベント」というだけではありません。自分たちがパンを焼いている地域の一員として、毎年参加させていただいている、大切な機会です。

まるたには現在、常設の販売店舗がなく、普段はツルヤやオンラインショップなどを通じてパンをお届けしています。そのため、イベントでお客さまと直接お会いできる時間を、とてもうれしく感じています。

パンを見ながら選んでいただいたり、食べ方について少しお話ししたり。いつも手に取ってくださる方にも、初めてまるたを知ってくださる方にも、つくり手からパンをお渡しできることを大切にしたいと思っています。

まるたの原点は、家族のために始めたパンづくりです。国産小麦と自家製天然酵母で仕込む「母娘パン」をはじめ、自分たちも食べたいと思えるパンを、一つひとつ焼いています。

地域の歴史を受け継ぐお祭りと、家族の「おいしい」から続いてきたパンづくり。規模も役割も違いますが、身近なものを大切にしながら、次へつないでいきたいという気持ちは重なるように思います。

お祭りの楽しみを、明日の朝へ

会場で選んだパンを、その日の楽しみにするのも、おうちへ持ち帰って翌朝の食卓に並べるのも、どちらもいいですね。お祭りで過ごした時間が、パンと一緒に、次の日の暮らしへ続いていく。そんな一品になれたら、まるたとしてもうれしく思います。お祭りをきっかけに知ってくださった方に、また普段のお買い物でも思い出していただけたらうれしいです。

2026年「第43回 砥石・米山城まつり」開催情報

開催日:2026年11月3日(火・祝)

開催時間:9:00〜15:00

会場:砥石・米山城まつり「お祭り広場」

(砥石・米山城登山口/長野県上田市)

伊勢山〜米山城橋の区間は例年通行止になります。臨時駐車場から会場までシャトルバスが運行(15〜20分おきに運行)されます。詳細は公式案内をご確認下さい。城跡への登山も楽しむ方は、歩きやすい靴で、無理のない予定を立ててお越しください。

いつもまるたのパンを選んでくださる方にも、初めましての方にも。

秋の上田、城のふもとで、地域の歴史とお祭りのにぎわいを楽しんでいただけたらうれしいです。

参考・出典